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「佐藤君の話から」(後編)

○前回のあらすじ

佐藤君は、小5のとき、北海道から神奈川に引っ越してきた。私立中学受
験のことを知った母親の勧めで、中学受験をするために塾へ通う。

6年になって、県内の私立学校で唯一「鉄道クラブ」がある学校が彼の志
望校となった。


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『鉄道クラブ』が志望理由。小学生にとっては、案外、そんなものか
もしれない。


さて、それが彼のモチベーションになったのか。


「そうだねぇ。結構、鉄道好きだったからね。かなり頑張ったと思う
よ(笑)」


「ただ」、と佐藤君は続けた。


「やっぱり、キツかったよ。6年になって、みんなすげぇ勉強してる
感じしたもん。大学受験のときよりも絶対、勉強したよ」


彼は、見事、第一志望の「鉄道クラブ」のある男子校に合格した。し
かし、終盤のモチベーションはかなりネガティブなものだった。


「最後のほうは、母ちゃんから『受験終わったら、勉強しなくてもよ
くなるから、とにかく受験まで頑張れ!』って言われ続けてさ。みん
なと違ってそれでなんとか乗り切ったって感じだよ」


まぁ、なんにせよ、合格したので「メデタシ、メデタシ」、なのだが、
佐藤君の話は、そこで終わらなかった。中学入学後、である。


もちろん「鉄道クラブ」に入った。楽しい中学校生活の始まり、だっ
たのだが。


「いやぁ、それがさぁ、完全にキレちゃったんだよ。だってさ、もっ
と勉強するんだよ。『受験終わったら、勉強しなくていい』って言わ
れてたのに、入学したら、それまで以上に勉強しなくちゃいけないん
だから。このことを友達に訴えたら、『勉強するの、当たり前だよ。サ
トちゃん』と言われた(笑)」


と、いうわけで、彼はタバコを覚え、マージャンにはまった。入学後、
母親が決めてきた塾には当然1回も行かなかった。


遅刻の常習者となり、年間の遅刻回数は軽く50を超えた。それも、
六時間目に行っても、欠席ではなく遅刻扱いになったからだ。実質
ほとんど欠席という日もかなり多かった。


「午後3時までマージャンうって、それから学校に行ってた」


とってもイイヤツだが、とってもダラシナイ彼の性格は、このとき形
成されたようだ。


もちろん、それが全てではないのだけれども、大人のモチベーション
のかけ方って、重要なんだなぁと感じる話だった。


ちなみに。でも、母親とはずっと仲が良かったそうだ。一緒にカラオ
ケに行ったり、ボーリングに行ったり。


それはそれで、僕からしたら信じられないのだけれど。

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     ◇◇◇ Global Thinking and Local Acting ◇◇◇
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