こんなことまでして、学力向上をする意味は何なのか?
【記事】学校公認、DSの時間 学力アップに大阪の小中20校で
朝日新聞(2009年1/26)より以下抜粋
○大阪府教育委員会が学力向上のために企画した携帯ゲーム機
「ニンテンドーDS」を使った学習が26日、大阪狭山市の市
立南第三小学校で始まった。府教委は府内の公立小中計20校
に40台ずつ貸し出している。「都道府県単位で携帯ゲーム機
を学習に採り入れるのは初めて」という。
○同校ではこの日、1時間目が始まる午前8時45分までの
15分間、5年1組の35人が黙々と専用のペンで画面に漢字
や読みを書き込んでいた。
○同校では今年度から、漢字に関心を持たせようと、3年生以
上を対象に、学校独自の漢字検定に取り組んでいる。山中雅典
校長は、DS活用も意欲づくりの一環ととらえ、「試してみ
て効果がなかったらやめればいい」と話す。
○府教委は今回、800台を購入。希望のあった学校の中から
小中10校ずつをモデル校に定め、2年間の期限付きで貸し出
した。DSの使用前と後の2回、独自の小テストで効果を測る
ことにしている。(小河雅臣)
*私からのコメント
◇DSは、子ども達にとって非常に人気の高いゲーム機器だが、
子ども達の生活習慣に大きく影響するゲームを学校で導入し、
漢字学習のツールとすることに、どうも私は違和感を感じる。
◇小さい内からゲームに慣れさせて、大人になるまで、いや大
人になってからもゲーム依存体質にしてしまおうとするような
試みにもろ手を挙げて賛成することは出来ない。
◇古い話だが、給食が、日本食文化を子どもから奪ったように、
楽しみながら学習するだけのDSを導入することで、子ども達
から何かが奪われるにように思うのだ。
◇学習は楽しいことだけではない。苦しいことだってある。嫌
なことだって学んでみてはじめて、好きになったりする。私が
思うに、「学ぶこと」のプロセスには、自分と対決する様式が
含まれる。
◇しかし、この時代は、「学ぶこと」を学ぶよりも、学んだ後
の結果としての学力だけをことさらに重要視しているらしい。
だから、簡単に楽しみながら覚えられるようなDSが、重宝す
るのだろうが、そんなことで学ぶ体験が、完結するはずはない
し、させてはいけないのだ。
◇漢字の学習に興味や関心を引き出したら、自分の身体を使っ
て、読み書きをしっかりしてほしいし、読書を通じて、漢字の
意味を文脈から理解してほしい。DS学習は、いわば事前学習
で、楽しさがつかめてきたら、事後学習として、紙に書いて覚
え、文章を読んで文脈を理解し、意味を汲み取れる学習をして
ほしい。そうであれば、DS導入もある程度は意味があるとは
思う。
◇子ども達に必要なのは、学んだ結果としての学力だけではな
い。「学ぶこと」を通して、自分と対決し、「学ぶこと」は自
分を知ることだと教えることが、必要なことなのだ。安易に何
でも手に入るということを教育の世界で実感させるべきではな
い。DS導入が、子ども達から苦労という経験を奪ってしまう
ものならば、そんなものは、導入しない方がよいのだ。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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