「急落」(前編)
仕事抜きでも、知り合いのお母さんと話す機会があると、やはり必ずお
子さんの話題になってしまう。
僕のほうもつい「お子さん、最近どうですか?」なんて聞いてしまうも
んだから、必然、子供の話になるのだけれど、ちょっと水を向けると堰
を切ったかのように話し始めるお母さんが少なくない。
小6の娘さんをお持ちのMさんという方がいらっしゃる。ご主人はある
大学の理事長さんだ。この娘さんが二月に中学受験をするため、猛烈に
勉強中なのだ。Mさんと話していると、やっぱり娘さんの話になる。
ふた月ほど前、Mさんとお話をした。いつもは明るくて元気で、太陽み
たいなMさんなのだが、そのときは娘さんの話題になったとたんに暗い
表情になってしまった。
「実はね、荒木さん、クルミがね・・・」と語り始めるMさん。
それまで、65前後、調子のいいときは70も超えることのあったクル
ミちゃん(娘さん)の模擬試験の偏差値が、最近45ぐらいまで急落し
た。
信じられないようなミスを連発する。簡単な漢字も書けていない。夏期
講習でたくさん勉強したし、最近はさらに頑張っている。なのにこんな
結果が出てしまって、もう心配でたまらない。
そんな弱音を吐くような人だとは思わなかったので非常に意外だった。
Mさんが受験するのではないが、Mさん自身が自信をなくしているよう
に見えた。
クルミちゃん本人にも会って話をしたこともあったし、以前から勉強の
様子や通っている塾のことを聞いていたので、僕の返事は立った一言。
Mさんにこう言った。
○次回へ続く
(登場する生徒の名前は仮名です。)
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◇◇◇ Global Thinking and Local Acting ◇◇◇
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