小中一貫教育が、理想主義にならないようにしたい。
【記事】市立の全491校で小中一貫教育 横浜市、12年度から
朝日新聞(2009年1/19)より以下抜粋
○横浜市教育委員会は、中学校の新学習指導要領が全面実施され
る12年度から、小学校346校と中学校145校の計491の
全市立校で「小中一貫教育」を実施する方針を固めた。同市教委
は今年3月、全教科について、小学1年~中学3年の9年間カリ
キュラムを発表する。全小中学校での一貫教育は、東京都品川区
が06年度に全国の自治体に先駆け、現在計54校で実施してい
るが、500校近くで取り組むのは初めて。
○同市教委によると、中学校とその周辺の小学校3~4校でグル
ープを作り、英語や算数・数学の教諭が習熟度に合わせて小、中
学校の双方で教えあうことなどを実施する。
○11年度からは小学校で本格的に英語の授業も始まるため、横
浜市は12年度から、中学校の英語教諭がブロック内にある小学
校で英語を教えたり、逆に小学校で英語を教える教諭を中学校に
出向かせたりすることを考えている。
○中学校の数学の授業で勉強に遅れがある生徒に対しては、ブロ
ック内にある小学校の算数の教諭が、中学校で、習熟度に合わせ
た少人数を対象に授業をすることも検討している。一方、小学5
年生でも中学1年生の数学が理解できる児童には、中学の教諭が
小学校で教える。
○同市教委は「小学校と中学校の教諭が相互に乗り入れることは、
習熟度に差が出る中学校での成果につながるのではないか」と期
待する。
○小中一貫教育の効果について、品川区は「学年間交流が進み、
中学2、3年生にあたる8、9年生の学校生活に落ち着きがみら
れるなどの効果が出ている」という。
○広島県呉市などでもすでに導入しており、東京都八王子市(小
69校、中37校)や宇都宮市(小68校、中25校)、京都市
(小181校、中76校)などでも市内すべての小中学校での導
入に向け、準備を進めている。
*私からのコメント
◇横浜市の発表した小中一貫教育は、小学校と中学校の教師の相
互交流的な色合いが強いものに思える。だから、これを一貫教育
と名づけるよりも、地域で子どもをサポートしていくための、小
学校の教師と中学校の教師のチームティーチングという位置づけ
で考えたほうが良いのではないだろうか。
◇しかし、記事によれば、3月に9年間の一貫カリキュラムが発
表になると言うことだから、一貫教育になってしまうのだろうが、
そんなに大げさにしないで、教師の相互協力体制つくりとしてお
いたほうが、良いと思う。それは、児童・生徒と教師にとって、
その方が良いのではないかと思うからだ。
◇まず、学習に対する躓きへの懸念。もし早い時期に学習に躓い
てしまったら、9年間の一貫教育は、長いものになって、区切り
のよいところで、リセットが、聞かない場合があるのではないか
ということだ。
◇小学生の時は、小学生で完結し、中学生になったら、もう一度
勉強に真剣に取り組もうとする新たな機会を奪うことになる可能
性があるからだ。区切りを学習の面でもしっかり付けておいた方
がよいのではないだろうか。
◇教師の側から考えると、9年間の学習の一貫性を考えながら指
導しなければならないと言うことになれば、それは大変な配慮が
求められる。小学6年間の到達度と中学3年間の到達度という区
切りが消えて、小中9年間の到達度ということになると、何がな
んだか分からなくなってしまうように思う。
◇たとえば、中学校3年生の学習阻害要因が、小学生の学習にあ
る場合には、一貫教育ならば、きっとそこまで戻って教えるよう
になるが、きっと教師は、大変なことになるのだろう。中学校の
教師は、小学校の教師の所為には出来ない状況になってしまうか
ら。徹底的に遡って教えることが求められるはずだ。
◇小学校と中学校の教師の相互交流は大賛成だが、あまりにも理
想主義に走らないようにしたほうが良い。教師が、疲弊するよう
な教育改革にならないようにしたいものだ。教師が疲弊すれば、
必然、児童・生徒も学習に疲弊してしまうから。
◇学習は大人になるための訓練用のメニューなのだ。学習で獲得
する学力が、教育の目的ではない。目的は、学習を通して社会で
大人として行動できるルールや社会性を獲得することだ。このこ
とを忘れてはいけない。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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