形式的平等主義は、現実を支える前提として考えるべきだ!
【記事】学級委員長「賛成」9割 ヤフーが意識調査
朝日新聞(2009年3/9)より以下抜粋
○クラスを統率する「学級委員長」をずっと置いてこなかった
鳥取県の小学校。今春、20年ぶりに1校で委員長が復活する
が、インターネット検索大手のヤフー(東京都港区)がネット
で意識調査をしたところ、「学級委員長は決めたほうがいい」
という肯定派が9割超に達した。
○「平等主義」から委員長を置かない学校は鳥取以外にも少な
くないが、ネット調査では「リーダーを決めることが差別につ
ながるというのか」といった批判的な意見も目立った。
○調査は同社のサイトで2月12~22日に実施。「学級委員
長がいない小学校があるそうだが、決めないことをどう思う?」
という質問に三択で答える形式で、7万9663の回答があり、
結果は「決めたほうがいい」が91.3%。「決めないほうが
いい」が5.5%、「その他」が3.2%だった。
○サイトにはコメントを残すこともでき、賛成派は「どんな集
団にもリーダーはいる」「代表者を選ぶこと、代表に立つこと、
代表者に従うことを学ぶのは大事」といった書き込みが多かっ
た。「個性を伸ばすのが教育の大きな目的。全員を同じにしよ
うとする試みは教育の自壊」「(委員長になれない)子どもが
傷つく、と弱いことを言っていたらたくましく育たない」とい
った批判も目立った。
○反対派の意見は「子どものグループにも普通にリーダーはい
る。それでよい」「子どもの社会では必要ない」など。「その
他」と答えた人には「クラスの状況によって決めるべきだ。担
任の目的意識が無ければ決めても決めなくても良い方向にはい
かない」という意見があった。
○調査はだれでも参加でき、同じパソコンからは1回しか回答
できないが、複数のパソコンを使えば同じ人が何回も答えるこ
とができる。ヤフーは今回の調査について、統計的な価値が確
立した世論調査のようなものではないと留保をつけている。
*私からのコメント
◇この数十年、学校教育には、形式的な平等が幅を利かせてき
た。それを文科省が、ゆとり教育という罠を仕掛けて、ふっ飛
ばした。私は、そういう風に2002年の教育改革を見ている
が、今回の「学級委員長」もある意味、そういう仕掛けで公に
議論ができる土壌になったように思う。
◇教育は、子どもが一人前の大人になるための指導だが、それ
は、現実の世界で生きることを前提としてなされるものだ。だ
から、学校教育といえども、大人の世界とある程度相同性のあ
る世界でいいはずなのだが、それが、どんどん歪められてきた
経緯がある。
◇その最たるものが、形式的平等の考え方かもしれない。現実
は、形式的な平等を前提としているが、学校教育は、形式的な
平等を学校世界の中で無理やり実現化しようとした。
◇たとえば、徒競走などの順位が出るものが良い例だ。徒競走
で、順位を出さないように色々な工夫をしてきた。ただ走るだ
けで順位をつけないものから、足の速い生徒と足の遅い生徒の
スタートラインを違えて、極力足の遅い生徒が、ビリにならな
いようにするものまで、色々と序列に関しては工夫をしてきた。
今回の「学級委員長」もこの流れの中で、学級から消えていっ
た一つだろう。
◇リーダー体験を子どもたちに与えることは、良いことだ。学
校世界の中には公式なリーダーも非公式なリーダーも当然存在
する。その一方である公式のリーダーを形式的な平等主義で、
排除してはいけないのではないか。記事の中に「子どもの社会
では必要ない」という意見があったが、子どもの世界にも十分
に非公式のリーダー、存在してしまうのだから、公式なリーダ
ーだってあっていいだろうと思う。
◇公式なリーダーをどう選ぶのか、公式なリーダーは、どう振
舞うのかを子どもたちにしっかり教えることが大切なことだ。
なにせ、この国の公式なリーダーの不甲斐なさと言ったら見て
いられないのだから。それに、子どもたちは、公式のリーダー
に選ばれても選ばれなくても、ほとんど関係なく、人間関係を
築いていくものだ。
◇今回の記事の底流には、「大切な子ども期」という考え方が
あるのかもしれない。それは、ルソーの考え方だ。ルソーは、
子どもは小さな大人ではないと宣言したが、私たちは、このル
ソーの宣言を見直すべきではないだろうか。子どもは、小さな
大人なのだ。そうしなければ、学校教育の世界の形式的な平等
主義は、なくならないように思う。形式的な平等主義は、現実
を支える前提として考えるべきものだ。民主主義とはそういう
世界ではないだろうか。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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