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学校化社会が、どんどん蔓延する!

【記事】「幼・小」一貫教育へ 10年度から東京・品川区方針


 朝日新聞(2009年3/26)より以下抜粋

○東京都品川区教育委員会は、すべての幼稚園児、保育園児を対
象に、集団生活のルールや、従来小学校で教えてきた簡単な読み
書き、計算などを統一的に教育する方針を決めた。小学校入学前
後の課程を一体にとらえた独自のカリキュラムを作成し、10年
度から「幼・保→小」の一貫教育を進めたい考えだ。

○今回の方針は、小学校に入った児童が座って先生の話を聞けな
いといった「小1プロブレム(問題)」の対応策として考えられ
た。こうした本格的な一貫教育はほとんど例がなく、品川区は
06年度に導入した「小中一貫教育」と合わせて効果的な教育を
目指すとしている。

○区教委によると、区立・私立の幼稚園・保育園の園長、区立小
学校長、学識経験者らを集めた「幼児教育推進委員会」(12人)
を5月に設置。小学校入学前の10月ごろから小1の6月ごろま
でを対象にした、独自の「幼児教育要領」を作成するという。

○小学校での集団生活に向き合えるよう、入学前のカリキュラム
にドッジボールやリレー、合奏などを取り入れ、友だちと力を合
わせてやり遂げる満足感を体験させることなどを検討している。

○学習については、小学校入学までにひらがなの読み書き、1ケ
タの足し算、引き算程度ができるようにすることを想定している。
小学校の教員が幼稚園や保育園に出向いて教えるほか、幼稚園教
諭や保育士に認定制度を設けて教育を担ってもらったりする仕組
みを検討するという。

○幼稚園の教育内容については、文部科学省が「幼稚園教育要領」
を定めているが、遊びの中で学びに興味をもたせることなどに主
眼が置かれ、具体的な学習内容は記されていない。品川区教委は
「英才教育ではなく、あくまで小学校の教育との円滑な接続を目
的にしている」「教える順番を入れ替えたり、一体化したりする
ことを考えており、現行の制度に反するものではない」としてい
る。

○区教委は、区内のすべての幼稚園(区立9、私立20)、保育
園(区立40、私立10)、区立小学校(38)のほか、11カ
所ある認証保育所にも参加を呼びかける方針だ。家で育児をして
いる家庭には、定期的に区の児童施設や保育園に子どもを連れて
きてもらい、無償で同様の教育を提供する考えだという。

○若月秀夫・区教育長は「学習面まで含めて地域一体で垣根をな
くし、幼児期に義務教育の基礎を培いたい」としている。
(小石勝朗)

*私からのコメント

◇今回の記事は、学校教育を中心に考えれば、非常にいいことの
ように思える。小学校に入学する前に、学習における基本動作を
学ぶのだから、小学校1年生からは、学習がスムーズに進むだろ
う。なぜ、それが今までなされなかったのだろうか。そう思う方
もいるだろう。学校教育の視点から言えば、非常に当たり前のこ
となのだ。


◇しかし、人間が大人になるという視点から言えば、どうなのか。
小さいうちから、他人に基本動作を教育してもらおうということ
だ。人間としての能力の下地を作る親子関係(=私的関係)を構
築する前に、親子関係の中に学校教育の視点がどんどん入ってく
るということだ。


◇子どもは、私的関係から直ぐに社会的な関係の中で生きること
になるのだ。いやいやちょっと待ってくれ!という読者もいるだ
ろう。幼稚園や保育園は、もうすでに社会的な関係の中にあるで
はないかと。


◇今回の記事で言えば、明からにその質が変わってしまう可能性
があるのだ。幼稚園や保育園は、子どもたちが、社会的な関係を
生きるための入り口で、練習機関のようなものだ。幼稚園の先生
や保育士は、子どもと向き合うが、子どもたちの社会的な関係能
力を評価するものではないし、指導を強制的にするよりもサポー
トをする度合いのほうが、圧倒的に多い。子どもたちは、子ども
たちの私的空間の中で関係し合っているようなものだ。まだまだ
社会的な関係の中とは言い切れない。

◇それが、今回の記事にあるように、幼稚園や保育園が、小学校
の下請けのようになれば、一足飛びに、社会的な関係を帯びるよ
うになる。幼稚園の先生や保育士が、強制的に指導し、評価を下
すようになる可能性があるのだ。学校化社会が、どんどん進んで
しまう。小さいうちから、誰かの言うことを徹底的に聞くように
指導を受ける。自分の価値判断が、小さいうちから他人に強制さ
れるようになる。こんな状態になってしまうかもしれない。親は、
自分の子どもを自分の判断で見守ってやれないような状態になる
可能性があるのだ。

◇親子関係という私的関係をしっかり構築し、その私的関係の中
で私的関係を尊重するためのルールを親がしっかり伝えるべきだ。
そのあとに、社会的な関係を構築する能力を問うべきだ。


◇何でもかんでも学校教育に寄与する施策が、良いわけではない。
人間として一人前になることと、学校の世界で一人前になること
は、同じではないのだ。そのことを念頭において教育を考えたほ
うが良いと思う。

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    ◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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