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« 安岡 正篤 || 石田 退三 »

■ 「環境受容」 ■

◇私の大学時代の友人の1人が二年に上がる際に留年が決定した途端
に退学しました。挫折したのかなと思っていたのですが、彼としては
挫折をしたのではなく、アルバイトをしながら東大を目指すと言って
意気揚々としていたのです。2~3年後、見事東大に合格しました。

皆さんは、彼のこの時の態度をどのように感じられますか?


◇彼と1年間付き合って感じたことは、彼は「受験が好きだった」と
いうことです。目標校を決めて、なりふり構わず受験勉強することで、
目標を手にすることができるという実感が好きだったのではないかと
思うのです。

◇このがんばりは、誰でも真似のできるものではありません。しかし、
です。大学合格を目標に置いた彼には、大学生活、その先の社会人の
イメージが少なかったように感じます。

◇東大に入って、「こんな研究をしたい」とか、「こんな教授から学び
たい」とか、「こんな仕事につきたい」という話を聞いたことがありま
せん。現役、一浪を通して東大も受けたが落ちたと言う話をよく聞いて
いました。

◇私と進学した大学は彼にとって不本意だったのでしょう。だから、
大学の学びに集中することができず留年になってしまった。私でも進級
できたのに、私より努力家の彼が留年するのは腑に落ちませんでした。

◇彼は高い目標を以って努力し、それを実現する能力をもっていました。
しかし、彼の目標はあまりにも目先の勲章を手に入れるだけのもので
した。


◇来週はいよいよ年度スタートの4月です。自分に与えられた今の環境
に一喜一憂することを手放し、その先、その先の先に目標を置いて取り
組みたいものです。

◇「幸せは掴むものではなく、掴もうと突き進んでいる時にこそある」
ということを最近つくづく感じています。

『今の環境に満足できるところはどんなところですか?』
『今の環境で努力することによって、貴方にはどんな可能性がありま
すか?』

◇あわただしく新しい日常が始まる前にじっくりイメージしてみませ
んか。今の環境の足りないところ欠けているところの視点が、ぼやけ
てくるのが不思議です。

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☆★☆ 編集後記 ☆★☆
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神戸を訪ねる機会がありました。神戸といえば、あの阪神淡路大震災
で多大な被害が出たあの場所です。家屋がつぶれ、焼け野原となった
場所にも、新しいビルが建ち、きれいな町並みが広がっていました。

町は物理的に再生しました。しかし、失った尊い多くの命は再生しま
せん。
命の重さを改めて感じた神戸の旅でした。

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