子どもに情報の意味づけを!
【記事】生徒が「先生を流産させる会」 いすに細工、給食に異物
朝日新聞(2009年3/28)より以下抜粋
○愛知県半田市の市立中学校で、担任に不満を抱いた1年生の
男子生徒十数人が「先生を流産させる会」と称し、妊娠中の
30代の女性教諭に対し、いすのねじを緩めたり、給食に異物
を混入したりしていたことが分かった。
○同市学校教育課によると、生徒らは今年1月から2月にかけ
て、教諭の車にチョークの粉やのりなどを混ぜ合わせてふりま
いたり、いすの背もたれのねじを緩めたりしたほか、消臭や殺
菌、食品添加物などに使われるミョウバンを理科の実験の際に
教室に持ち帰り、教諭の給食に混ぜたという。
○見かねた周囲の生徒が2月下旬、別の教諭に伝えて問題が発
覚した。担任がけがをしたり、体調を崩したりすることはこれ
までなかったという。
○学校側が事情を聴いたところ、席替えの方法や部活動で注意
されたことへの不満を口にする生徒がおり、「先生に反抗しよ
う」という話が持ち上がったのがきっかけだったことが分かっ
た。学校はその後、保護者を呼んだうえで生徒を指導し、生徒
らも反省の態度を示しているという。
○校長は「個々にはいい子たちで、最初は信じられず、仰々し
いネーミングにも驚いた。ただ軽いのりからエスカレートした
ようで、計画的とまでは言えない。命の重さについて、より指
導を徹底していきたい」と話している。
*私からのコメント
◇子どもの世界が、どんどん悪い意味で大人化してしまってい
る。その要因の一つは、情報のフラット化だろう。
◇以前ならば、情報は、階層的に流れていた。たとえば、大人
の持っている情報と子どもの持っている情報には、大きな格差
があった。大人から子どもに流れる情報に、大きな操作があっ
た。子どもが知って受け止められる情報の量と質が、考慮され
ていた。
◇実は、それは、子どもと大人だけのことではなかった。大人
の間でも情報量の格差があったのだ。一部の特異な情報は、そ
れを受け止められる大人しか入ってこなかった。それが、今は
どんな情報でも簡単に手に入れることが出来るようになった。
もっと言えば、望むと望まざるとに関わらず入ってきてしまう
ようになったのだ。
◇ニュースやドラマによる情報は、見るものに大きな影響を与
える。子どもたちは、何の免疫もないまま、それらの情報を受
け止めるから、社会で起こっていることとして当たり前のこと
なのだと受け止めてしまう。大人でもそういうところがあるの
だから、子どもでは尚更だ。
◇ニュースは、特異なニュースを世界中から取り寄せて流し、
ドラマは、どんどん過激なものを流すことによって、視聴率を
獲得しようとする。その結果、情報の受け手である私たちは、
どんどん感覚が麻痺し、今までの判断能力を超えてしまって、
そんな状況ならこの程度は、大したことはない。そんな感覚に
襲われるだろう。情報のフラット化は、私たちの社会的な行動
をどんどん壊していくのだ。
◇だから、子どもが、社会的な情報を受け止める時には、親が、
あるフィルターの役目をすることだ。親が、注釈を付けて、情
報を子どもに伝えるべきだ。
◇たとえば、家庭でテレビを見ている時に、いろいろとやって
はいけないことを語るべきだし、ドラマで出てくる事件は、社
会の中ではあってはならないこと、またそのような事件は、架
空のことで、そんな事件が、社会ではなかなか起こらないから、
ドラマになるのだということ、そのような注釈が必要なのだ。
◇また、良いニュースや感動的なドラマなら、人生の教訓的な
注釈も必要だ。情報操作は、社会的には危険な行為だが、教育
の中では当然行なわれて然るべきことなのだ。その辺を私たち
は、間違えてはいけない。情報をシャットアウトするのではな
く、情報に解説なり、意味を与える教育が、今必要なことのよ
うに思う。
◇しかし、まだまだ子どもの世界も、捨てたもんじゃないと思
ったのは、「見かねた周囲の生徒が2月下旬、別の教諭に伝え
て問題が発覚した」という点だ。こういう生徒が、多くなって
いくように、私たち大人達は、子どもの世界に良いメッセージ
を発信していくことしかない。その意味でも、わたしたち大人
は、子どもに情報の意味づけをしていこう。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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