事故死か自殺かの問題ではない!
【記事】中2飛び降り、家族に知らせず事故死を「自殺」に修正
朝日新聞(2009年5/14)より以下抜粋
○長崎市の市立中学校で男子生徒が校舎から飛び降り自殺したことをめぐり、当初は「転落死」と処理した市教委が、後に「自殺」と修正していたことがわかった。家族は再三にわたって「自殺」としての認定を求めていたが、市教委は修正したことを家族に報告、説明しなかった。
○死亡したのは中学2年の安達雄大君(当時14)。04年3月10日、校内でたばこ所持を教師に見つかり、指導を受けた直後に校舎4階から飛び降りた。市教委は指導と飛び降りの因果関係はないとして、「転落事故死」とする事故報告書を県教委に提出した。
○市教委はまた、文部科学省が同年実施した児童・生徒の問題行動調査には事案そのものを報告しなかった。「県教委から渡された調査項目に『自殺』がなかった」と説明している。
○安達君の父敏昭さん(47)と母の和美さん(47)は05年9月、報告書を「自殺」に修正するよう要望したが、市教委は「事故報告書は事後に変更する書類ではない」として拒否。両親は06年8月「自殺は行きすぎた生徒指導が原因」として、市に損害賠償を求めて提訴。長崎地裁は08年6月「自殺の予見は困難」として市側の過失を認めなかったが、自殺の原因を「不適切な指導」と判断した。
○一方、市教委は07年1月、文科省が実施した全国調査では「自殺の項目があった」として安達君の事案を「自殺」と報告した。しかし、両親には「係争中だから」として修正を説明しなかった。
○両親は08年10月、03年度の長崎県の公立中学生の自殺者数が「0」から「1」に修正されたことを知り、市教委に確認。市教委は修正の事実を認めた。
○母の和美さんは「何も知らされなかったのはおかしい。係争中だからこそ、修正を言って欲しかった。裁判の結果を受けて、自殺の原因が教師の叱責(しっせき)によるものということを認めるよう、市教委に求めたい」と話した。
*私からのコメント
◇今回のような事件を云々するのは、非常に難しい。自殺の直接原因が、教師の「不適切な指導」なのか、そうではないのかを新聞記事では明確には分からないからだ。だから、今回取り上げるのは、教師の指導の問題ということではなく、教育委員会と保護者の関係についてのことだ。
◇この記事のような事件は、全国で数多く起こっているし、これからも数多く起こるだろう。教師の指導を生徒がどう受け止めるかが、昨今は想定不可能な場合があるし、ガラスのようなプライドを持っている生徒を厳しく指導していけば、それなりのリスクが発生する。だから、教師は指導が非常にやりにくくなっていることも事実だろう。そういう中で、今回のようなことになれば、事故死(教師の指導は適切だった)なのか自殺(教師の指導が不適切だった)なのかで、教育委員会(学校)側と保護者が裁判で争うことも出てくる。今回の記事は、まさにそういうものだ。
◇この記事の中で、私たちが考えなければならないのは、学校で生徒が死んでしまったという事実だ。この事実を教育委員会(学校)側は、もっと重く考えるべきだ。たとえ、その生徒の指導を受け持った教師に不利益になることでも、教育委員会(学校)側は、事実を保護者と共有することだ。子どもを失った親の悲しみに対して教育委員会(学校)側は、誠意をもって、臨むことだ。裁判は裁判として争うのは致し方ないことだろうが、その学校の保護者として教育委員会(学校)側は、対応することだ。今回の記事からは、教育委員会の不誠実さしか伝わってこない。子どもを失った親の悲しみに対してもう少し、教育委員会(学校)側は、配慮するべきだったと思う。
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