「ひと言」(後編)
○前回のあらすじ
小学校のときのことだ。卒業式を数日後に控えたホームルーム。
先生が一人ひとりにみんなの前でメッセージをくれた。
そのひと言が今でも忘れられない。
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教室の一番右の列、前の席から順に一人ずつ、メッセージを語りだす先生。
クラスには40人の生徒がいる。僕は左から2番目の列。だいぶ後のほう
の順番だ。
クラスのみんながどんなことを言われていたのかは、全く覚えていない。
他の生徒のことよりも、どんなことを言われるのか、それが気になってド
キドキしていた。
宿題となっている日記を毎日書かなくて叩かれた。
ほぼ毎日と言っていいくらい忘れ物をしている。
いろいろさぼったり手を抜いたり、ろくなもんじゃない。
自分の番が終わってほっとする顔。
何を言われるのかと緊張する顔。
そして。
先生は、「荒木はねぇ」と始めた。それに続いた言葉は僕にはとても意外
なものだった。
「いろんな作業だったり、授業中の問題だったり、何かやったとき、人よ
り早く終わることが多い。その早く終わった分、さらに何かをやってほし
いと思ってる。そういう気持ちが足りないな」。
しっかりしろ、だとか、だらしないのを直せ、とか、そういう類の言葉が
来ると思っていた。でも、先生の言葉は、僕の能力を認めた上でのものだ
った。
しかし、その頃からひねくれ者だった僕は、素直にその言葉を受け止めら
れなかった。こんなふうに心の中で思ったのだ。
「この人は何を言ってるんだろう。人より早く終わらすのは、人より多く
遊ぶためでしょ!」と。
20年以上たった今でも覚えている先生の言葉。そのときの僕の心の中の
声。そして、さらなる何かができずに、いつも中途半端で終わっている大
人になった僕。
今になってなぜかふと思い出した、あのときの先生の言葉は「もっと踏ん
張れ!お前!!」という過去からのメッセージなのかもしれない。
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◇◇◇ Global Thinking and Local Acting ◇◇◇
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