「頑張れ!」
教師なら、いや、教師でなくても、口癖のようになってしまっている言葉
「頑張れ!」。
生徒を励ましたり、勇気付けたりするときに、必ずと言っていいほど「頑
張れ!」と言った。
しかし、今なら思う。「頑張れ!」って言われて頑張れる生徒と、そうでな
い生徒がいるってことを。「これ以上、何をどう頑張るんだよ!」と心の中
で叫んでいた生徒だってたくさんいただろう。
一つ、ある思い出がある。
漢字練習帳を毎回、チェックしていたのだが、ある小学6年生の女の子の
ノートが本当に一生懸命練習してあって、「テストで満点取るぞ!」とい
う意気込みがビンビン伝わってきた。
それを見て僕がそのノートに書いたひと言は「頑張ってるね」。
「これからもこの調子で頑張ろう!」なんて書いていたのだが、そのとき
は、その生徒の努力を心の底から認めてあげたかったのだろう。
「わっ、『頑張ってるね』って書いてある!」とその子は、赤字で書かれた
短いフレーズに笑顔になった。
頑張ってる人、これ以上頑張らなくてもいい人。そういう人もいるんだろ
うなと感じる昨今。
「頑張れ!」は「頑張れない」かもしれない。

