高校の全入を考える時ではないのか!
【記事】大阪府、私立高無償化へ 低所得世帯を対象
朝日新聞(2009年10/28)より以下抜粋
○経済不況の影響で、私立高校の入学者が過去最低を記録した大阪府は
28日、来年度の新入生から、年収350万円以下の低所得世帯の府内
の私立高校生の授業料を無償化する方針を決めた。その一方で、公立高
校の入学定員を今年度より3千人以上増やす計画だ。
○鳩山政権は来年度から公立高校の授業料を無償化する方針で、公立の
志願倍率が一層高まる可能性がある。生活難から私立に進めず、公立入
試にも落ちて「進学難民」となるのを防ぐ狙いだ。
○高校進学のセーフティーネット(安全網)を私立にも担わせるための
支援策の一環。新2、3年生や高等専修学校生についても、授業料の無
償化を含めた助成を検討している。様子見の都道府県が多い中、府はい
ち早く「私立も無償化」を宣言し、受験に備える中3生や保護者らの不
安を解消したい考えだ。
○府私学・大学課によると、府内の私立高校94校の平均授業料は
約55万円で、これ以下の私立高校を就学支援策の推進校に指定。府内
在住の年収350万円以下の世帯の子どもで来春、推進校に入学する新
入生について、府が国とともに授業料相当額を私立側に支給する。授業
料が55万円を超える場合でも、奨学金制度を創設するなどして差額分
を私立側が負担すれば推進校に指定する。
○鳩山政権は来年度から公立高校の授業料無償化にあわせて、年収
500万円以下の私立高校生に約24万円を支給する計画。府は、この
24万円に最大31万円を上乗せする。対象者は3千~4千人とみられ、
必要な予算は10億円程度となる見込み。
○府はすでに、保護者の失業などで所得が1割以上減り、住民税が非課税
になった「家計急変世帯」の私立高校生約1900人に対し今年度分の授
業料を全額助成することを決めている。来年度はこの措置を打ち切り、対
象者をより広範囲な低所得者層とする。
○また、授業料や学校法人の役員報酬が高額な府内の私立高校に対しては、
経常費補助金の減額も検討している。
○その一方で、大阪府教育委員会は来年度の公立高校の入学定員を拡大す
る。府内で来春、公立中学校を卒業する予定の生徒が前年度より
約3500人多いためだ。
○この卒業予定者を、府内の高校入試での「公立7-私立3」という定員
比率の公私間の取り決めで分けた上で、公立側はさらに約1千人を上乗せ
する。公立の定員は前年度に比べて3千数百人増える見通しだ。
○大阪府の今春の入試では、公立高校の全日制普通科の志願倍率が前年度
の1.19から1.23に上昇。一方、今年度の私立の総入学者は4年ぶ
りに前年度より約1400人減り、過去最低の約2万7800人だった。
公私合わせた進学率は前年度を1.2ポイント下回る91.6%に下落。
下落分にあたる800人余りが進路変更を余儀なくされた可能性があると
いう。(左古将規)
私のコメント
◇今回の大阪府の方針は、高校進学者にとって、朗報だ。そしてこの方針
は、高校の全入に対応するものかもしれない。民主党が謳う、公立高校の
無償化は、義務教育の延長線上に高校教育を考えているといってもいいも
のだ。
◇だとすれば、今回の大阪府といい文科省といい、私立高校の無償化の流
れも、当然、そういう民主党の考え方に近いものが底流にあるはずだ。記
事の中にもあるように、公立高校だけではなく「高校進学のセーフティー
ネット(安全網)を私立にも担わせるための支援策の一環。」だというこ
とは、高校教育を義務教育のように考えているということではないだろう
か。
◇高校進学率が95%を超えようとしているのだから(定時制や通信制高
校も含めれば95%を超えている県もある)、当然といえば当然の措置で、
そうだとすれば、高校全入をもうそろそろ行政としても考えた方がよいの
ではないだろうか。
◇高校に行きたくても行けないという原因が経済上の問題もあれば、学力
的な問題もあれば、進路指導上の問題もあるのだ。高校へ行きたくない者
は行かなくてもいいが、行きたい者には制度上の問題を解決して、全入を
保証する方向で考えてもいい時期だと思う。今回の高校の無償化をもっと
積極的に制度上の問題にまで踏み込んで考えて欲しいと思う。

