「ずいぶん前」
駅の改札へ向かう階段で、幼稚園の制服を着た男の子がお母さんと手をつ
なぎながら、ヨーイショと一段ずつ上がっていた。
オー、頑張って上りきれ、ちびっ子!なんて思いながらその横を通り過ぎ
るとき、親子の会話が聞こえてきた。
「それっていつの話?」と男の子。
「ヨウくんが1歳のころかな」
「フーン、ずいぶん前のことだねぇ」
「そうだね、ヨウくんには随分前のことだよねぇ」。微笑むお母さん。
なんとも大人びた口調に僕までにこやかになってしまった。ヨウくんは5
歳ぐらいだろう。確かに彼にとって1歳は「ずいぶん前」の話だ。
バンクーバーで冬季オリンピックが開催中だ。6月にはサッカーのワール
ドカップも行われる。ヨウくんは「ずいぶん前」と感じるだろうが、「も
う4年か」とか「早いなぁ」とか感じる大人は少なくないだろう。
日々を無為に過ごしていないかと振り返ることが多くなった。なにもない
まま過ぎるから月日が経つのも早く感じるのかなぁなんて思ってしまう。
最近、知り合いがぼそっと言ったコトバが印象的だった。
「1年は早いけど、人が変われるのに充分な長さですよね」。
時は、この瞬間も流れている。
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◇◇◇ Global Thinking and Local Acting ◇◇◇
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