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生きる力はどこへ行った?!

【記事】高校生の親「進路の助言困難」7割以上 3割は経済的理由

読売新聞(2010年4月2日)より以下抜粋

○高校生の子を持つ親の7割以上が「進路について子どもに助言するの
が難しい」と感じていることが、全国高等学校PTA連合会(東京・千
代田区)とリクルート(同)の調査でわかった。

○うち、3割は経済的な事情で選択が狭くならざるを得ないことを理由
にあげており、生徒の半分近くは将来に不安を感じていた。

○調査は2年ごとで、今回は2009年秋に行い、9都道府県の公立高
27校の2年生1953人、保護者1495人から回答を得た。

○子どもの進路選択についてのアドバイスが「難しい」とした保護者は
毎回増加し、今回は05年より6・6ポイント、前回07年より3・6
ポイント高い73%に上昇した。
理由で最も多かったのは「社会がどのようになっていくのか予測がつか
ないから」(62%)で前回より10・2ポイント高くなり、「家庭の
経済的な理由で子どもの進路の選択肢を狭めざるを得ないから」(32%)
も前回より3・2ポイントアップした。
進学先で重視する条件として、54%が「学費が高くないこと」を挙げ
た。
 
○一方、高校生の49%も、「自分の進路がどうなるのか不安」と感じ
ており、保護者に対しては、33%が「自分に望みを高く持ちすぎない
でほしい」と考えていた。
大学・短大に進学を希望する高校生に就きたい職業を聞くと、教師が1
位、公務員が2位に。
保護者は公務員が1位、教師が2位で、親子とも安定志向がにじみ出た。

*私からのコメント

◇現代は、混迷の時代だ。
だから、親が子どもの進路について良いアドバイスができないと不安に
なるのも分かる気がするが、それは、実は誰でも同じことで、どんな学
者であれ、どんな予言師であれ、将来に対して自分の子どもに的確なア
ドバイスは、できるものではない。
だから、世のお父さん、お母さんは、そんなに悲観することはない。

◇ところで、今回の記事を取り上げたのは、アドバイスの問題ではなく、
「家庭の経済的な理由で子どもの進路の選択肢を狭めざるを得ないから」
というところが気になってのことだ。
この表現だけ読むと、あたかも経済格差を背景として、このような問題
があるとでも言っているかのような印象を受ける。

◇また、不景気だから、こういう問題が起こるのだと言っているのかも
しれない。
しかし、こんな事情は、昔からだ。
そして、就職に関しても昔から安定志向だったはずだ。だから、実は、
こんな記事が出ること自体が、ちょっと変なのかもしれない。
しかし、きっと何らかの意図をもってこの記事は書かれたのだろう。
そこで、私は、勝手にこんなことを思ってしまった。

◇それは、2002年の教育改革から言われている「生きる力」は、ど
こに行ってしまったのかという問題提起だ。
こんな先行き不安な時代なのだから、問われるのは、「生きる力」だろう。

◇2002年から言われている「生きる力」をつける教育が、功を奏し
ていたら、きっとこの記事は書かれなかったはずだ。
そして、もし、「生きる力」が、高校生に芽生えようとしていたら、教
師や公務員を職業として選ぶだろうか。選んでいないはずだ。
安定的に見えて、全くそうではない職業だ。

◇教師も公務員も「ハイパーメリトグラシー」が求められるようになっ
ているのだ。
教師も公務員も今までは、形式的なルールやマニュアルに沿って行動し
ていたらよかった職業だったのだが(手続きに沿って能力を発揮すれば
よかったのだ。それを「メリトグラシー(業績主義)」と言う)、「アド
リブ的な能力=感情操作能力」を発揮しなければならないのだ。
そして世間の目もこの二つの職業には、非常に厳しい。
こんな割に合わない職業を選ぶのだから、「生きる力」として選択眼が
ないというものだ。記事にあるような、安定的仕事ではないのだ。

◇しかし、こんな仮説も考えられる。
もし、教師とか公務員の仕事の質やレベルが、今上げたようなものだと
知って、敢えて選んでいるとすれば、「生きる力」に満ちた高校生だとい
う仮説だ。
果敢に難しい仕事にチャレンジするのだから、そうなってほしいと思う
が、どうだろうか。
「生きる力」の議論をもうそろそろした方がいいのではないだろうか。
学力問題以上に重要な問題のような気がするが。


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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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