大衆迎合的な施策では、教育は死んでいく!
【記事】受験ノウハウ、先生に予備校が指南 都教委が制度化へ
朝日新聞(2010年5月9日)より以下抜粋
○予備校が大学受験のノウハウを東京都立高校の教師に指南する制度を、
都教育委員会が6月にも始める。
今年度は進学校10校が対象で、受験に活かせる授業の助言を受ける。
都立高校の「復権」を進めるため、受験ビジネスに長じた予備校の協力
も得て難関大学の合格者数増というわかりやすい実績をあげようという
のがねらい。
文部科学省によると、公立高では全国的にも珍しい試みという。
○都教委によると、今年度は中高一貫校を含む10校、来年度は9校で
実施する。
授業の指導は国語、英語、数学など計4教科を対象に年4回、予備校講
師の派遣を受ける。
○教師は予備校講師に授業を見てもらい、改善点などの助言を受ける。
都教委は、受験に直結する英語構文の覚え方や古文の読解法、解答方法
など、大学入試の傾向を踏まえた助言を想定している。
校長も予備校職員らから指導を受け、大学合格実績の効果的なPR方法
など、高校の付加価値を高める取り組みについて、競争の激しい予備校
界のノウハウを学ぶ。
都教委側から予備校に支払う費用は講師への謝礼など年1千万円程度の
見込みで、生徒の新たな自己負担はないという。
都教委の担当者は「目からうろこが落ちるようなアドバイスをしてほし
い」と期待する。
○都教委は2001年に日比谷高校など4校を「進学指導重点校」に指
定し、指導力が高い教員を配置するなどの措置をしてきた。
現在7校ある重点校の東京大合格者数は、04年度に計36人だったの
が、今春は卒業生を含め計83人。
今回は、より多くの都立高で進学実績を上げるため、重点校以外を対象
に選んだ。
○都教委幹部は「学歴偏重と批判されるかもしれないが、難関大学への
進学を期待する生徒や保護者は多い。
それに応える責任がある」と話す。(岡雄一郎)
*私からのコメント
◇私も私立高校の理事を務めているから、都教委の発想は分からないわ
けではないが、何か大衆迎合的な施策のような気がする。
都教委幹部では「学歴偏重と批判されるかもしれないが、難関大学への
進学を期待する生徒や保護者は多い。それに応える責任がある」という
ことだが、学校は、それだけを実現するところではない。
◇予備校の進学に対するノウハウは、高校でも活きるだろうし、それを
否定するつもりはないが、それだけを高校ニーズだと限定してしまうと、
日本の学校は、どうなってしまうのだろう。
確かに、今までの学校は、進学に責任を持っていなかった部分はあるが、
振り子を極端に振ってしまってはいけないように思う。
◇学校には、予備校的な使命はあるが、それだけではないのだ。
子どもを大人にしていく使命があるのだ。
だとすれば、進学的なノウハウだけではなく、子どものモチベーション、
それも勉強だけではなく、生きていくためのモチベーションに対するノ
ウハウが必要なはずだ。これを蔑にしてはいけないように思う。
◇私が理事を務める学校でも、進学的なノウハウと子どもを大人にして
いくための生きるモチベーションに対するノウハウの両方が足りてはい
ない。
だから、この両方のノウハウを蓄積して、責任を果たしていくことだと
思っているが、保護者のニーズが進学にあるからそれだけを強化すると
いう短絡的な発想では、学校の本来の使命を果たさなくなってしまうだ
ろう。
保護者や世間に迎合するような教育的な施策をしていくのは誤りだと思
う。
◇教育を私事性(自分のための学力)から解放しなければならない。
社会のためにも勉強することを私たちは、子どもたちに教えなければな
らない。
勉強を自分のためだけの勉強から解放しなければならない。
私は、そう考えるが、皆さんはどう考えるだろう。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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