【記事】「小中学生に携帯は不要」緊急アピール
松江市PTA、出会い系トラブル増加などで
読売新聞2010年11月2日
○子どもがケータイを持つのはNG?――。
〇子どもが携帯電話による中傷の書き込みなどの被害に遭う例が増えている
として、島根県松江市PTA連合会と同市教委は「小中学生にはケータイを
持たせません」とする緊急アピール文を発表した。
市内の全小中学校に呼びかけている。
一方で、子どもと連絡を取る手段として、携帯電話にはメリットも。
「『持たせない』とまでは言い切れないかも……」との声もある。
(大橋裕和)
〇アピール文は、「小中学生にはケータイを持たせません 使わせません」
という標語が書かれており、10月28日に市内小中学校49校の児童生徒
計約1万5000人に文書で配布した。
〇同連合会などによると、携帯電話のネット掲示板に中傷する内容を書き込
まれたり、出会い系サイトでトラブルに巻き込まれたりする被害が増えてお
り、市内の中学生の被害件数は、昨年度3学期の3件から今年度1学期は1
0件と急増した。
〇県教委の今年5月の調査では、携帯電話を平日に15分以上使用している
割合は、中学生27・1%、小学生も17・3%。
市教委は「携帯電話への依存なども問題」とする。
〇石川県では条例で、小中学生に携帯電話を持たせないことを保護者の努力
義務と定めており、同連合会の山下孝治会長(51)は「アピールを通して、
まずは保護者が携帯電話の弊害について勉強し、危険を認識してほしい」と
訴えている。
〇これに対し、NTTドコモ中国支社広報室は「弊害の対策としてフィルタ
リングサービスや安全教室を開くなどしている。持たせないという選択肢も
あるが、機能を十分理解してほしい」とする。
送り迎えなどで連絡を取るのに便利なほか、全地球測位システム(GPS)
機能が付いた機種なら、子どもの居場所がわかるという利点もあるという。
〇県内の小中高校で情報モラル教育を実践している長谷川陽子さん(47)
(松江市)は「小中学校で携帯電話を持たなかった子が、高校で持ち始めて
トラブルに巻き込まれる例もある。結局は、メディア教育がしっかりできて
いるかどうかが問題」と指摘。
〇子どもの健全な育成に取り組む「NPO法人しまね体験活動支援センター」
の岩崎知久・事務局長(56)は「安全面での利便性もある。取り上げれば
よい、というものではなく、ネット制限をしたものなどは、連絡の道具とし
て持ってもいいのでは。道具をどう使わせるかは大人の問題でもある」と話
す。
〇県内では、松江市のような取り組みは珍しいといい、県教委は「携帯電話
を使わないことで、子どもが人に会って話をする機会が増え、コミュニケー
ション能力が向上する効果もあると思う。ただ、これからは子どもたちもネッ
トとつき合わねばならない時代。『持たせない』と言い切るのは難しい」と
慎重だ。
私のコメント
◇この問題は、実に難しい問題だ。
ここでは、一つの視点から考えたいと思う。道具という視点から考えたい。
◇昔、道具には、子どもが使っていいものと子どもが使ってはいけないもの
があった。
また、性によっても、男性だけしか使えない道具と女性だけしか使えない道
具があり、共通に使える道具があった。
この視点から見ると、携帯電話はどうなるだろうか。
◇携帯電話の機能からすると、ゲームがあり、カメラの機能があり、メール
の機能があるから、子どもの道具のようなところがあり、しかし、料金がそ
の都度発生するから、大人の特権的な道具のようでもある。
よくよく考えてみれば、継続的に料金の発生するものが、子どもの道具であっ
ただろうか。
◇そして、もうひとつ。
第三者の目に触れないような子どもの道具があっただろうか。
子どもと子どもが繋がること、子どもと大人が繋がることが、隠れたところ
で、出来るような道具があっただろうか。
そして、一番重要なことは、子どもの領域に土足で大人がどんどん入ってし
まうようなことが起こりえる道具があっただろうか。
携帯電話という道具は、実に多くの新しい領域を創造してしまうのだ。
◇携帯電話のリテラシーを教えなければならない。
しかし、携帯電話の免疫を子どもにつけなければならない。
そうした時に、小学生や中学生では、リテラシーを教える期間として子ども
に携帯電話を持たせないこともいいことではないかと思う。
◇親が子どものいいなりになる必要はない。
料金の発生するような道具を安易に持たせなくてもいいように思う。
安全面で必要なら、安全面を考慮した道具として携帯電話を親の判断で持た
せることだ。
親が子どもの領域をしっかり守ることが、重要なことだ。
行政がどうのこうの言うものではないようには思う。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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